君への距離
カズさんが車に乗り込んだ。

翼のアパートまで迎えに行くことになったのだ。




「あっ!!」
ふいに杏が叫んだ。


みんなが杏を、そして杏の視線の先に目をやる。


「来たぁ!!!」
杏が顔を輝かせる。
みんなもホッとして笑顔になる。


翼のユニフォームは乱れていて、慌てて着たのが丸分かりの格好で自転車を飛ばしていた。



駐車場の隅に自転車を乗り捨てると、メンバーたちの待つ方へと全力で走ってきた。





< 111 / 213 >

この作品をシェア

pagetop