君への距離
シオに対する一球目。




ストライクゾーンいっぱいの内角低めのストレート。

見逃した。




(くっそ~!!!)

シオは悔しかった。

次は四打数三安打と当たっている翼が控えている。

なんとしてでも翼の前に塁に出たいところだ。





その後、二球ボールが続いた。




三球目、



三振!!


完全に振り遅れた。




あっさりと追い込まれる。



シオが相手ピッチャーを睨みつけるように顔をあげた。



(さあ…来い!!)






シオは何球も何球もファールで粘る。



(ブサイクなバッティングでもいい…、



今はただ、



塁へ。前へ!!)




14球目、





カンッ!!




体勢を崩しながら何とかバットを当てた。


セーフティバント!







シオは全力で走る。



ピッチャーの送球との競争だ!


シオはためらうことなくヘッドスライディングした。









セーフ!!!!!!!



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