君への距離

告白

それから杏と翼は食堂に行って何も買わずに話しをした。




「さっきは…、さっきのはねっ!」
杏は極力明るく話しはじめた。



「あたし陸上で短距離やってて…この大学にもスポーツ推薦で来たのね?」


「うん。」

翼も真面目に聞いていた。




「でも高校の卒業式の後に、友達の車に乗せてもらったとき事故っちゃって…。あたし助手席だったからけっこうな大ケガしちゃってさっ、」




「膝、ダメんなっちゃった!」






翼はびっくりして、杏を見つめた。


「辛かったね…」





「えへへ、大丈夫だよ!平気だよ!!今は野球あるしさっ。全国にね、行けるかもしんないんだ!」



「……。」




「翼くん?」





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