君への距離
シオとリョースケは珍しく講義に出ていた。

マサキはサボってアツシといっしょに帰っていった。




「いい感じだったな?」

リョースケがにやにやしながらシオに話しかけた。




「両想いやって何で気付かへんの?あの二人は!!」

シオがため息をつく。



「気付いてねぇの、レッドん中であの二人くらいだよ?」



シオ、
「あっああ!もう!!じれったい!!!」


リョースケ、
「直球勝負やぁ――!翼あぁぁぁぁぁああ!!!」



バシッ




「…翼か?翼のストレートか?俺の後頭部に…」

リョースケが頭を抱える。


シオが大きく首をふる。


「違うの?カーブ?」

「いや、球種じゃなくて…」




リョースケが振り返る。




「先生!!!」



経営学の坂上がリョースケの真後ろに立っていた。

仁王立ちで…



「うるさいんじゃぁぁぁああ!!!



それで翼もマサキもサボりかぁぁああ!!」



リョースケ、
「ひえぇ~!」



「ついでにシオぉお!!」



「ついではいらないっす…」



「お前…、



机の上に枕をつくるなぁぁぁああ!!」




周りはものすごい失笑だ…






< 170 / 213 >

この作品をシェア

pagetop