君への距離

君への距離

「もしもし?」


杏は今日も陸上の練習。練習を終えて自転車で帰る途中に電話がかかってきた。




「杏、今どこ?」
リョースケだ。



「はあ?今、学校出たとこだけど?」




「ストォォォォォォップ!!」



すさまじい大声で電話ごしにリョースケが絶叫した。



杏が電話を切る。




すぐにかかってきたので、しばらく待ってからしょうがなく出た。


「何で切るんだ!!」



「拒否反応…」



「お願い!グランドにグローブ忘れちゃって…とってきてください!!杏ちゃ~ん」



「…あたし陸上で疲れてるの」



「杏サマ~…」



「アイス食べたいなぁ~…」



「買ってきます!おごります!!」




「ハーゲンダッツ!チーズケーキの!!」




「うっ、ダッツ??」




「グローブと引き替えだぁ~!用意しないとお前のかわいいグローブがどうなるか分からんぞぅ…」




「ひぇ~」




「ダッツ!」

杏はそう言って電話を切ると渋々引き返した。





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