君への距離
スーパーで買ったのはカレーの材料。



お鍋にいっぱい作ってもあのふたりはペロリとたいらげる。

(作りがいがあるなぁ。)




マサキやリョースケが料理当番のときは量が半端ない。
だから杏が当番のときはいつも物足りないらしい。




(今日はいつもよりさらにいっぱい作ってやろう!)

なんせ杏は上機嫌なのだから。





杏は料理が得意なわけではないがカレーくらいなら人並みに作れる。


ポストの中に隠してあるマサキの部屋の鍵を慣れた手つきで取り出した杏は、そのまま部屋にあがりこんで料理をはじめた。

作っている途中、冷蔵庫の中にアイスを発見した杏はそれを昼ごはんとしていただいた。


大鍋いっぱいにカレーもできて、炊飯器で炊けるマックスの量のお米を洗いタイマーを7時にセットした。




(完璧!)




時計をみると、まだ3時だった。


杏は押し入れから布団をひっぱりだしてきて横になると、疲れていたのか一瞬で眠りに落ちた。




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