君への距離
みんなの視線に気づき、翼は慌ててグランドに飛び出していった。


「行ってらっしゃい!」
杏が笑顔で言う。



「行ってきます!」
翼も笑顔でそう言うと右手をあげた。



杏は一番きれいなボールを選んで投げる、






杏のコントロールのおかげでそのボールは大きく上にそれた。



「おっと!」

翼は上体を大きくそらして、ジャンプしながらそのボールをとった。




「ナイスキャッチ!」
杏がケラケラ笑う。





翼も笑顔で、大事そうにそのボールをポケットにしのばせるとみんなのほうへかけていった。




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