君への距離
第3話
バッテリー
「もう一球!!」
アツシはキャッチャーマスクを外しながら翼に向かって叫んでいた。
滴る汗を腕でさっとぬぐうとまたすぐさまマスクをつけて構えた。
アツシの後ろには捕りそこねた無数の球が転がっていた。
同じ状況がもう二時間、休みなしで続いていた。
今日は日曜日、
朝から1日練習があった。
練習が終わって帰ろうとしていた翼をアツシが引きとめて、先輩たちが帰ったあと1年生だけの自主練が始まったのだ。
翼、
「大丈夫?ちょっと休むか?」
アツシ、
「大丈夫!ほらっ、来い!」
(今度こそ捕ってやる!)
アツシはポンポンッとミットを叩いた。
翼、
「よっしゃぁ!」
翼は振り被り、いつものきれいなフォームで投げた。
パシッ!!
ボールはまたもやアツシのミットをはじき、後方へ飛んでいった。
「あ―!!クソッ!」アツシは悔しそうに地面を叩いた。
「翼、もう一球!!」
見かねた杏がアツシに水を持って行った。
「アツシ!焦んなくても大丈夫だ、これからこれから!!」
ファーストからリョースケの声が飛ぶ。
「今日はここまでにしよう!」
ショートのシオも心配そうだ。
翼、
「そうしよう、アツシ。今日は僕のコントロールも悪かったし…」
アツシ、
「いや、いいよ…。翼のコントロールはいつも抜群だ!」
「頼む!もう一球!!」
みんな心配そうに顔を見合わせた。
アツシはキャッチャーマスクを外しながら翼に向かって叫んでいた。
滴る汗を腕でさっとぬぐうとまたすぐさまマスクをつけて構えた。
アツシの後ろには捕りそこねた無数の球が転がっていた。
同じ状況がもう二時間、休みなしで続いていた。
今日は日曜日、
朝から1日練習があった。
練習が終わって帰ろうとしていた翼をアツシが引きとめて、先輩たちが帰ったあと1年生だけの自主練が始まったのだ。
翼、
「大丈夫?ちょっと休むか?」
アツシ、
「大丈夫!ほらっ、来い!」
(今度こそ捕ってやる!)
アツシはポンポンッとミットを叩いた。
翼、
「よっしゃぁ!」
翼は振り被り、いつものきれいなフォームで投げた。
パシッ!!
ボールはまたもやアツシのミットをはじき、後方へ飛んでいった。
「あ―!!クソッ!」アツシは悔しそうに地面を叩いた。
「翼、もう一球!!」
見かねた杏がアツシに水を持って行った。
「アツシ!焦んなくても大丈夫だ、これからこれから!!」
ファーストからリョースケの声が飛ぶ。
「今日はここまでにしよう!」
ショートのシオも心配そうだ。
翼、
「そうしよう、アツシ。今日は僕のコントロールも悪かったし…」
アツシ、
「いや、いいよ…。翼のコントロールはいつも抜群だ!」
「頼む!もう一球!!」
みんな心配そうに顔を見合わせた。