君への距離
第1話
出会い
ぼやけたような朝の空気や、ひんやりとした心地よい風が杏はたまらなく好きだった。
今日も1番乗りでグランドにやって来た杏は、いつものように倉庫からボールバックを引っ張ってきて、ベンチに座り1つ1つ丁寧に磨き始めた。
砂にまみれて擦りきれたゴムボールが、自分の手で白く生まれ変わっていくのも杏は大好きだった。
ボールを半分くらい磨きあげたところで、ひとりまたひとりと選手たちがやって来た。
「杏、おはよ。」
「いっつも早いねぇ」
やって来たのはいつものように1年生集団。
先輩たちよりも少し早めにきて1年がグランド整備をすることになっている。
1年生は杏を合わせて6人だ。
アツシ、マサキ、ケンちゃん、リョースケ、シオ。
名前と顔とポジションを一致させて覚えるのは大変だった。
今ではまるで男の子どうしのように仲良しだ。
リーダー役はアツシ、落ちつきとまとまりのない5人をうまく締めてくれる。
マサキとリョースケは絵に描いたようなお調子者。
下宿先が杏と近いこともあり、何かにつけていっしょにいることが多い気の合う3人組。
シオは背が高く日焼けした笑顔が素敵なモテモテ君。
プレーは渋い、職人肌の選手だ。
ケンちゃんは前髪を1つに結んでいるから覚えやすい。
153センチの杏とそんなに身長は変わらないものの運動神経抜群なチビっこセカンド。
今日の6人の間は、この話題で持ちきりだった。
マサキ
「今日来るピッチャーってそんなすごいの?」
杏
「だって原田さんイチオシだよ?」
シオ
「原田さん〇〇高校だもんな。そこのエースだったやつらしいよ。」
ケンちゃん
「すっげえ!そいつ入ったらレッド無敵じゃん?」
今日も1番乗りでグランドにやって来た杏は、いつものように倉庫からボールバックを引っ張ってきて、ベンチに座り1つ1つ丁寧に磨き始めた。
砂にまみれて擦りきれたゴムボールが、自分の手で白く生まれ変わっていくのも杏は大好きだった。
ボールを半分くらい磨きあげたところで、ひとりまたひとりと選手たちがやって来た。
「杏、おはよ。」
「いっつも早いねぇ」
やって来たのはいつものように1年生集団。
先輩たちよりも少し早めにきて1年がグランド整備をすることになっている。
1年生は杏を合わせて6人だ。
アツシ、マサキ、ケンちゃん、リョースケ、シオ。
名前と顔とポジションを一致させて覚えるのは大変だった。
今ではまるで男の子どうしのように仲良しだ。
リーダー役はアツシ、落ちつきとまとまりのない5人をうまく締めてくれる。
マサキとリョースケは絵に描いたようなお調子者。
下宿先が杏と近いこともあり、何かにつけていっしょにいることが多い気の合う3人組。
シオは背が高く日焼けした笑顔が素敵なモテモテ君。
プレーは渋い、職人肌の選手だ。
ケンちゃんは前髪を1つに結んでいるから覚えやすい。
153センチの杏とそんなに身長は変わらないものの運動神経抜群なチビっこセカンド。
今日の6人の間は、この話題で持ちきりだった。
マサキ
「今日来るピッチャーってそんなすごいの?」
杏
「だって原田さんイチオシだよ?」
シオ
「原田さん〇〇高校だもんな。そこのエースだったやつらしいよ。」
ケンちゃん
「すっげえ!そいつ入ったらレッド無敵じゃん?」