君への距離
(遥か彼方でみんなの泣き叫ぶ声がした。





アツシもマサキもシオもリョースケも、翼くんも…


みんなみんな、泣いている。






きっと、ケンちゃんも…)







「ん…」


「杏?」
マサキが心配そうに言った。


「…マサキ?」
杏は病院のベッドに横になっていた。


「よかった…。杏、気失って倒れたんだよ。」



「……」



「みんなさっきまでいたんだけど…」
マサキがうつむく。




「ケンちゃんのとこ?」



「……」



「あたしも行く!」



「杏は!…見ないほうがいいよ。

事故激しかったから…」




「……」



「みんな呼んでくる!」


マサキが出ていこうとした。

「待って!!


あたしも行くから…」




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