君への距離
「レッド!レッド!レッド!レッド!」

車内にはレッドコールが沸き起こっていた。
運転手はマサキ、助手席にはリョースケ、後ろには翼とアツシが乗っている。


リョースケ、
「放送席、放送席、今日のヒーローインタビューも投打に大活躍の平尾選手です!」


翼、
「何コレ?」


マサキとアツシはゲラゲラ笑う。


リョースケ、
「平尾選手の今日の朝ごはんは?」


翼、
「その質問いる?朝ごはんは来る途中のコンビニで焼きそばを…」

マサキ、
「朝からガッツリやなぁ~!」


リョースケ、
「平尾選手、好きなタイプは?」


アツシ、
「お―…聞きたい!聞きたい!」


マサキ、
「俺は綾瀬はるかやな~!」


リョースケ、
「聞いてませんけど!」


アツシ、
「俺は南ちゃん!」


翼、
「タッチ?」


アツシ、
「そうそう!かわいいじゃ―ん♪翼は?」



みんな(運転手以外は)翼に注目する。



「えっと…」


リョースケ、
「黒髪で?目おっきくて?大学生とは思えない子どもっぽい感じ?」



マサキ、
「何何?翼、誰かいるん?」


アツシ、
「黒髪?子どもっぽい?目がでかい…って」


翼は慌ててリョースケをにらみつける。



マサキ、
「黒髪…目…子ども…あっ!!」



翼、
「え!」




マサキはこの前見た衝撃的光景を思い出した。

「リョースケか!?」



翼はホッとしたような呆れたような微妙な気持ちになった。





二人の怪しい疑惑は広がるいっぽうだ。






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