君への距離
田んぼに囲まれた帰り道。

翼は自転車だったので、それをひいてアツシと並んで歩いている。


翼がふいにつぶやいた。
「…なんか、すっきりしたなぁ!」



「ん?」
アツシが翼のほうを見る。



「風呂上がりみたいだ!」



「なんだよ、それ~!」
アツシがゲラゲラ笑う。





「マサキんとこ、帰ろっ!」


「おう、そうしろっ!」
アツシがうれしそうに翼の肩を叩く。




(それで、リョースケに全力で謝ろう。)
翼はそう決意していた。






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