君への距離
次の日、

思いっきり遅刻したのは杏!







アフターの翼、リョースケ、マサキを起こさぬようにアラームをバイブにしたのがいけなかった。


(あと五分で授業始まるじゃん!)




とりあえずケータイとサイフをジャージのポケットに入れて急いで部屋を出た。


マサキをよけて、

(かわいい~…)
真ん中で口を開けて眠っている翼を飛び越えて…


グチャッ!


ドスン!!


翼ばかり気にしていたので着地場所にリョースケがいることを忘れていた。

思いっきり顔面を踏んで転んでしまった。



「ごめんっ…」


杏はリョースケを覗き込んだ。

(爆睡!!)




「ラッキー♪」

杏は小声でそうつぶやくと、スキップででていった。





(見なかったことにしよう…)


さっきの音で完全に起きたマサキは心の中でつぶやいていた。





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