良と遼〜同じ名前の彼氏〜
彼氏の浮気
まるで足元からガラガラと音をたてて世界が崩壊していくようだと思った。
その瞬間、奈美の思考は頭の回路をペンチで突然プチンと切られたように、動きを停止した。
あたしまるで人形のようだ。
二人掛けのテーブルにはマックシェイクとコーラ。
その向こうにいるのはあたしの彼氏、良平。
「ごめん奈美ちゃん、でも俺、奈美ちゃんのことも好きなんだ。でも…その…結城さんに誘われて…映画行ったりしちゃって…」
優しい良ちゃんは眼鏡越しに宙を見ながら、大きなゼスチャーで必死に話している。
「その後駅から家まで送って…結城さんちって大森中の近くで、ほら、あの辺暗いからさ、やっぱ女の子一人じゃ危ないし…奈美ちゃんもそう思うでしょ?それはわかるよね?」
わからないよ。
今何が起こっているのかが、全然わからない。
さっきまでラブラブだったはずの良ちゃんは、いまや違う空間で何か訳の分からないことを発しているようだ。
その瞬間、奈美の思考は頭の回路をペンチで突然プチンと切られたように、動きを停止した。
あたしまるで人形のようだ。
二人掛けのテーブルにはマックシェイクとコーラ。
その向こうにいるのはあたしの彼氏、良平。
「ごめん奈美ちゃん、でも俺、奈美ちゃんのことも好きなんだ。でも…その…結城さんに誘われて…映画行ったりしちゃって…」
優しい良ちゃんは眼鏡越しに宙を見ながら、大きなゼスチャーで必死に話している。
「その後駅から家まで送って…結城さんちって大森中の近くで、ほら、あの辺暗いからさ、やっぱ女の子一人じゃ危ないし…奈美ちゃんもそう思うでしょ?それはわかるよね?」
わからないよ。
今何が起こっているのかが、全然わからない。
さっきまでラブラブだったはずの良ちゃんは、いまや違う空間で何か訳の分からないことを発しているようだ。