良と遼〜同じ名前の彼氏〜
「奈美」


ふいに遼平があたしに多い被さってきた。


遼平の重みに、小さなあたしの体が圧迫される。


遼平のスウェットに染み付いた煙草の匂いは、あたしのまだ知らない男性の匂いと混ざって遼平の匂いになる。
むせかえるようなその刺激に、あたしの鼓動は破裂しそうな位に波打っていった。



髪の毛越しに、遼平の唇があたしの耳に、首に触れているのを感じる。


「力抜け」


遼平の低い声があたしの体に響いてくるのと同時に、あたしは遼平にのまれていくのを感じた。


いつの間にかあたしの手は遼平の手のひらに包まれ、指が絡まり、強く強く結ばれていく。


「リョウヘイ…」


やっと出したあたしのかすれ声に、遼平がゆっくり顔を上げた。


「お前まじで可愛いな」


あたしに吸い寄せられるように、遼平の整った顔が近づいてくる。
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