良と遼〜同じ名前の彼氏〜
遼平の彼女
その日、遼平は仕事に行くと言って朝早くに出て行った。
結局あたしは2日連続で遼平と同じ布団で寝たのだ。
「奈美、メシ作って待ってて」
「カレー位しか作れないけど…」
「最高。宜しく頼むわ」
遼平はそう少年のように笑ってストラップも何も付いていない裸の鍵を「合い鍵」だとあたしに手渡した。
遼平は家を出る時、靴箱の上にぶら下がっていたBVLGARIのストラップのついた鍵を指し、
「予備の合い鍵はここな。
兄貴の別れた彼女が使ってたやつだから、何かあったらこれ使え」
と念をおした。
「予備の合い鍵って」
あたしが笑い、遼平も笑い、あたし達はまるで新婚夫婦のように玄関で「いってらっしゃい」「おう」とやり取りしたのだった。
遼平を見送るとあたしは布団に横になった。
煙草と遼平の匂いを吸い込むと、昨夜の胸の高鳴りが全身に蘇ってきた。
あの後、遼平は「泣いてんなよ」とあたしの頭をグリグリ撫でた。
「奈美、クリスマスの予定決まった?」
「決まってないよ。ずっと一緒にいたじゃん」
「何したい?」
あたしは少し迷ったけど、はっきりと答えた。
「泉森公園のイルミネーションが見に行きたい」
「へ〜…隣町の?」
「12月24日の18時50分に待ち合わせするの。19時になると一斉に明かりが点くんだって。その瞬間をね、一番好きな人と一緒に迎えるの。
七色の光の中でキスがしたいの」
あたしが言い終わると
「なんだそれ」
と遼平が笑ったから、あたしはムッとしたのだ。
お昼すぎ、家のチャイムが鳴った。
結局あたしは2日連続で遼平と同じ布団で寝たのだ。
「奈美、メシ作って待ってて」
「カレー位しか作れないけど…」
「最高。宜しく頼むわ」
遼平はそう少年のように笑ってストラップも何も付いていない裸の鍵を「合い鍵」だとあたしに手渡した。
遼平は家を出る時、靴箱の上にぶら下がっていたBVLGARIのストラップのついた鍵を指し、
「予備の合い鍵はここな。
兄貴の別れた彼女が使ってたやつだから、何かあったらこれ使え」
と念をおした。
「予備の合い鍵って」
あたしが笑い、遼平も笑い、あたし達はまるで新婚夫婦のように玄関で「いってらっしゃい」「おう」とやり取りしたのだった。
遼平を見送るとあたしは布団に横になった。
煙草と遼平の匂いを吸い込むと、昨夜の胸の高鳴りが全身に蘇ってきた。
あの後、遼平は「泣いてんなよ」とあたしの頭をグリグリ撫でた。
「奈美、クリスマスの予定決まった?」
「決まってないよ。ずっと一緒にいたじゃん」
「何したい?」
あたしは少し迷ったけど、はっきりと答えた。
「泉森公園のイルミネーションが見に行きたい」
「へ〜…隣町の?」
「12月24日の18時50分に待ち合わせするの。19時になると一斉に明かりが点くんだって。その瞬間をね、一番好きな人と一緒に迎えるの。
七色の光の中でキスがしたいの」
あたしが言い終わると
「なんだそれ」
と遼平が笑ったから、あたしはムッとしたのだ。
お昼すぎ、家のチャイムが鳴った。