良と遼〜同じ名前の彼氏〜
夕方、少しやんでいた雪はまた降り出していた。

泉森公園に直通のバスは雪でダイヤが乱れ、大幅に遅れていた。


バスが泉森公園前に到着するやいなや、あたしはバスを飛び降りて公園に走った。


公園の入り口の電飾をまとった「5メートルツリー」は、雪をかぶり、重そうにキラキラ輝いている。


ツリーを横目に公園に駆け込む。


噴水広場にはカップルが溢れていた。


19:30


見渡す限りの七色のイルミネーションは、あたしの目には入らない。


しばらく辺りを見回したけど、あの金色の頭と白いジャージは目に入らない。


諦めきれず、肩で息をきらせながらあたしは白と金色を探した。


雪の白と、眩く光るイルミネーションのどこかに、遼平がいる気がしてならなかった。


「遼平!」


あたしはいつの間にか叫んでいた。


周りのカップルがあたしの方にチラチラ目をやった。


「鮎川遼平!」


その時、背後の茂みでガサッと音がした気がした。
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