もう泣かないで
私は真希が止めるのも聞かず、教室を飛び出した。



「政巳のとこへ行かなきゃ。」



自分でも政巳の家の前まで、どうやって来たのか分からない。



気がついたら、



私は政巳の家の前に立っていた。



しばらくすると、お姉さんが家から出て来た。



お姉さんは私に気づきそばに来た。



「夏海ちゃんだよね?


来てくれたんだ。


政巳長男だから葬儀の打ち

合せとかで大変なの。


母は倒れてしまうしね。


政巳だって本当は辛いのに、

あの子泣かないんだよ。」


私の胸は、張り裂けそうだった。



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