もう泣かないで
お姉さんが、


「政巳を呼んでくるから

待っていて。」


と言ってくれた。



それからしばらくして、


政巳が家から出て来た。



私は何を言っていいのか?


分からず、ただ政巳のそばに立っていた。



私は、「政巳泣いていいよ。 

泣いていいからね。」



政巳は大きな体を震わせ、
声を出して泣いた。



私はありったけの力を込め、政巳を抱き締めた。



政巳が、


「しばらくこうしていたい。」と言った。



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