もう泣かないで
玄関で政巳が待っていた。

私が走ろうとしたら、


政巳が「走らなくていいよ。

もう何処にも行かないから、

これからはずっと一緒だ。

二年間は長かったよ。」



政巳は私を、お姫様だっこして車に乗せてくれた。



姉と母が、「夏海幸せだね。」と言った。



私は、「行って来ます。」


そして心の中で、「おばあちゃん行って来ます。」と言った。



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