記憶のカケラ
「ぇと……!ち、違うのっ!何も変な考え事なんてしてないしっ……」
「変な考え事って、どんなこと考えてたの?」
唯花はまだ笑ってる。
な、なんでー!??
あわあわしていると、唯花の隣にお母さんが座った。
「はいはい。妄想もほどほどにしてね?」
…って、お母さんまでっ!!
2人して酷いよっ…;
「あははっ、冗談だってば♪」
「へ……?冗談…?」
「葵って、騙されやすいの変わってないわよねぇ」
「ぅ……」
少し小さくなる私。
「まぁ、取り敢えずその話は置いといて……。9月から、葵も中学行けるようにしておいたから♪」
えっ……!?
「本当っ!?」
私はさっきと打って変わって、パアァッと目を輝かせた。
「たーだーし。もう夏休みなわけでしょう?勉強だって、小学校から遅れてる葵にとっては、とてもついていけないと思うの」
た、確かに……。
私が寝てる間に、どんな勉強してたかなんてわかんないし……。
「そこで、明日から家庭教師来てもらうことにしたから♪」
「………えぇええっ!!?」
思わず椅子から立ち上がった私を見て、唯花はニヤッと笑った顔で。
「頑張って小3から成長しろ」
だなんてっ…!
明日から、どんな日々になるのやら……。