記憶のカケラ



「はい、じゃあ今日はここまで。お疲れ様でした〜」

「ありがとうごさいましたぁ」

や、やっと終わったぁあ……。
午後3時から7時まで、ずっと勉強してるのはさすがに疲れる。
これをあと何回繰り返せばいぃのっ……!?

1階に行くと、お母さんはリビングのソファに座ってテレビを見ていたらしく、私達に気付くとすぐに立ち上がった。

「2人共お疲れ様。勉強ばかりで疲れたでしょう?今お茶入れるから、ちょっと椅子に座っててちょうだい♪」

「あ、いえ……。俺はいいですよ」

「あら、遠慮しなくていいのよ?」

「そうだよっ、ちょっとくらい休んでいったら……?」

葵が功の顔を覗き込むと、功は力が抜けたような顔で、
「じゃぁ少しだけ……」
と言い、リビングに入って行った。



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