記憶のカケラ



『ねぇ、功?私達は、ずっとずっと大切な友達だよっ?』

『うん!俺も、葵とずっと一緒にいたい。約束っ』

『約束…♪』


大切な友達として、ずっと接してきた……。けれど、本当は功のこと、好きだったんだよ…。
こんなこと言って、友情が崩れちゃ嫌だから……私は、この気持ちを隠してきた。
ずっと、ずっと……。



『ねぇ、――?私達は、ずっとずっと大切な友達だよっ?』

『―――』

あ…れ……。

『約束…♪』

私…、頭おかしくなっちゃったのかな……。
ついさっきの夢のこと、忘れちゃった…。
……うぅん、違う。
自分が言ってるところは覚えてるもん。
けど…相手……。
私と喋ってる人……、誰…だっけ…。
誰……。
だれ………。

「……ぃ」

………?

「……ぁぉいっ」

葵…?
誰か、私を呼んでるの…?

「葵っ…」

私は久しぶりに名前を呼ばれた気がして、重い瞼を、そっとあけてみた…。
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