記憶のカケラ
「……よし。行くぞ、葵」
「えっ、ちょっと待って……」
「なんだよ?」
「な、名前……聞いてない…」
4年前の友達なら、名前聞けば思い出せるかも…。
「……橋元」
「ぇ…?」
「橋元 罫〈ハシモトケイ〉だってば。覚えてねぇの?」
橋元…罫……?
もしかして、あのやんちゃで喧嘩好きで背の低かった罫?
「ぅそっ…」
「マジだってば!……ほらっ、行くぞっ」
「えっ、ちょっ……待ってよ!」
久しぶりに床に足をつけるせいか、なんか、ふらふらする…。
そう感じた時だった。
足に力が入らず、倒れてしまった。