私心*君心*恋心*愛心
「カンター!いつまで寝てんのよ!遅刻するよ!」


「もう…ちょっとだけ…」

私の毎朝の日課はお隣サンに住んでいる、幼なじみのカンタを起こす事。


「はぁ…。もう、置いてくからね!」


「…う~置いてかないで…」


布団の中から、すがるような目でカンタが見ている。

もう!


そんな目で見ないでよ…


なぜか、私はこの姿に弱いんだよなぁ。


「ねぇ、カンタ。もう私達高2になったんだからさぁ、こういう事辞めない?」

「なんで?別にいいじゃん!マイコはイヤなの?」


「イヤって言うか…。カンタの好きな子に誤解されちゃうじゃん…。」


「俺の好きな子?あぁ、好きな子ね…。でも、俺とマイコの仲だろ?いいじゃん!」


そういうもんなの?


カンタはそれでいいの?


カンタは昔から女の子に人気あるのに、告白されても全て断っている。


彼女がいたなんて聞いた事がない。


ホントにそれでいいの?


私には好都合だけど…


× × × × ×


「カンター!もう、早く起きなよ!」


「ん~マイコ…」


「ん?何?」


ーグイッ


「ちょ、ちょっと!カンタ!?」


カンタに腕を引っ張られ、布団の中に引きずり込まれてしまった。


しかも!


向かい合っている状態でガッチリ抱きしめられている。


「マイコ~」


カンタに耳元で名前を呼ばれただけなのに、なぜかドキンと胸が高鳴る。


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