月に問う
俺の初恋~side銀河~
「ねぇ、今度はいつ会える?」




ベットの上で全裸姿の女がシーツを体に巻き付け、着替えをしている俺に甘い声で話かけてきた。




『あぁ?わかんねぇ…。』




ワイシャツの袖に腕を通し、女に背を向けたまま素っ気なく答えた。




「銀チャン、冷た~い!」




大空銀河(オオゾラ ギンガ)17歳・高2
長身で高校生には見えない大人びた顔立ちをして、長めの前髪の隙間から覗く瞳と目が合った女達ほとんどが一目惚れするほどの容姿をしている。




『じゃあ、俺帰るわ…』


「また、連絡してね♪」




着替え終わると女の方を振り返らず背を向けたまま部屋を出た。




外に出るとすでに薄暗く、空には丸い月が浮かんでいた。




月を見るたび、俺を見ているように思えて怖いんだ。




《お前はそれでいいのか?》って言われているようで怖いんだ。




俺だって、このままじゃダメだって事はわかってる…




いろんな女とヤっても欲求は満たされても、心は満たされる事はないんだ。




『なぁ…お前はどうしたらいいと思う?』




薄暗くなった空に浮かぶ月を見上げ呟いた。


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