月に問う
『マジかよ…。』




慧心んちに着く前に雨が降り出し、空はさっきよりも濃い灰色になり、雨足が徐々に強くなって来て、雨宿りをしなければならないほどだった。




仕方なく、近くのコンビニの軒下に駆け込み雨宿りする事にした。




『マジ、最悪…。』




まだ、降り止まない空を見上げた。




中に入りたいけど、頭から足の先までびしょ濡れだしなぁ…




そんな時…




「もう、最悪!」




傘をさしながら、軒下に入って来た女がいた。




その声に気付いた俺はその女に気付かれないように見た。




その女は背が高く、細身で色白で銀縁の眼鏡をかけ、自然な栗色のふわふわした長い髪を軽く二つに結っていた。




俺から見ればその女はイマドキって感じでもなく、どこにでもいる普通って感じのタイプ。




まだ、俺には気付いてないようで濡れた制服をハンカチで拭いていた。




あっ!




そういえば、バッグの中にタオルがあったはず…と思いバッグの中をあさったが、タオルが見つからなかった。




俺って、マジ最悪じゃねぇ…




うなだれていると目の前にピンク色のタオルが現れた。


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