月に問う
『瞳…お前の声デカすぎっ!ウザイ!』


「うわっ、銀のその態度ムカツク!」




マジ、ムカつくー!と言いながら頬を膨らませて怒っている瞳。




瞳も中学からの付き合いで、彼氏がいてもモテてるらしく男から告白されてる所を何度か見かけた事があった。




「まぁまぁ…落ち着こうぜっ、瞳サン!かわいい顔が台なしになっちゃうぞ!」


「私ってかわいい!?だよねぇ♪やっぱり、かわいいでしょ?」




慧心になだめられ、褒められた瞳はすでにご機嫌になっていた。




瞳って単純だなっ…。




でも、彼氏にとってはそんな所がかわいいんだろうなぁ。




机に伏せたまま、そんな事を思っていると突然、瞳が話題を変えて話かけてきた。




「ねぇ、銀ってさぁ…すっごくモテて女の子と遊んだりするけど、今まで彼女っていた事ないよね?」




瞳のその言葉にズキッと胸が痛くなった。




机に伏せていた体をゆっくり起こし、気持ちを悟られまいと冷静を装い、瞳と慧心を見た。


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