月に問う
「へぇ〜、岩井チャンに弟なんていたんだ!岩井チャン同様、イケメンじゃん!そういえば、櫂斗サンなんか言ってたけど…。銀河、どうした?」


『えっ?』


「どうしたんだよ?ボーッとしちゃって!」


『いや…、なんでもない。』




慧心の言葉で我に返った。




櫂斗サンは美月チャンの彼氏…なのか?




だとしたら、俺は…




櫂斗サンの言葉が頭の中から離れられず、ショックとモヤモヤした気持ちのまま凱の家に向かった。




凱の家に着いてからもあの言葉が忘れられず、勉強なんて身に入らなかったんだ。




美月チャンはいつも通り笑顔でみんなに勉強を教えていて…



そんな美月チャンと目が合っても、いつもの俺ならドキッして照れながら笑い返しているのにこの日はは目を逸らしてしまったんだ。




そして、いつものように美月チャンと一緒の帰り道。



俺、美月チャンと一緒に帰るのも今日で終わり…か?




このまま想いも伝えず、終わりにしてしまってもいいのか?




もし、想いを伝えたら…




あるわけがないっ!




だって…




だってさ、美月チャンは櫂斗サンと付き合ってるんだろ?




この恋は叶わないんだ…


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