月に問う
でも、最近美月チャン浮かない顔をしてたのはなんでだ?




櫂斗サンと付き合っていて幸せなはずだろ?




「……がっクン?銀河クン?」




美月チャンに名前を呼ばれ、我に返った。




『えっ?』


「どうしたの?今日の銀河クン、おかしいよ?」




悲しげな顔で美月チャンは俺を見上げている。




そんな顔すんなよ…




そんな顔をされると…




美月チャンに触れたくなってしまう。




そんな気持ちを押し殺して、冷静を装った。




『なっ、なんでもないよ!』


「そういえば…。私、銀河クンのメッ『わりぃ…これから用事あるんだ。だから、ここで…。』




美月チャンの発言を阻止し、「じゃあっ」と言ってその場で別れた。




用事なんてない…




ホントはもっと一緒にいたいけど…




もっといろんな事を話したいけど…




でも、もう一緒にいちゃダメなんだ。




美月チャンには櫂斗サンがいるんだから…




そうすると俺って失恋したんだ。




初めて誰かを好きになって、告白する前に失恋かっ。




痛てぇな…




すげぇ、胸が苦しいよ。




そんな辛い想いを抱えたまま家路を目指した。


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