月に問う
美月チャンに会わなくなって2週間が経った。




ーコンコン




放課後する事もなくまっすぐ家に帰り、ベッドに横になりながらゴロゴロしているとドアをノックする音が聞こえた。




「よっ!何、ヒマしてんだよ?今日、告って来た女とどっかに行ったと思ってたんだけど♪」




ドアを開けると同時に慧心の声が聞こえて来た。




『慧心?お前、凱んちに行ったんじゃ…。』


「うん♪行って来たよ!その帰り♪美月チャン、心配してたぞ。」


『えっ?美月チャンが?』




起き上がり、慧心を見るとにっこり笑ってこっちをみていた。




「何があったかしらねぇけど、もう美月チャンの事どうでも良くなったわけ?」


『そんなんじゃ…ねぇよ。でもさぁ…好きでいても仕方ねぇんだよ…。』




そう言いながら、またベッドに横になり慧心に背を向けた。




「らしくねぇなぁ!もしかして、岩井チャンの弟の櫂斗サンと何かあった?」




その言葉に一瞬体が凍り付き、何も言えなかった。




「まぁ…言いたくないなら無理に話さなくてもいいし♪」




ゆっくりと体を起こし、ベッドの端に座り慧心を見つめた。




このやるせない想いを誰かに聞いて貰えれば、少しは気分も晴れると思い親友でもある慧心に全てを話した。


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