月に問う
突然の告白にびっくりした顔で美月チャンは俺を見上げている。




そして…




「私…、銀河クンの事汚れてるなんて思った事ないよ。あのね、櫂斗にはもう一度付き合って欲しいって言われたの。でも、私には好きな人がいたからきちんと断ったの…。」




そう言うと眉を垂らし、微笑んだ顔で俺を見つめていた。




「私も…、銀河クンが好き。」




一瞬何を言われたのか理解出来ず、俺は美月チャンを不思議そうにただ見つめていた。




そして、少しずつ美月チャンの言葉を理解し始め…




『えっ?今…、好きって言った!?』


「うん。」




美月チャンはにっこり笑い、頷いた。




『やっ…、やったー!!マジ!?』




嬉しくて思わず、美月チャンを強く抱きしめていた。




諦めなくてよかった…




マジ、うれしすぎる!




「ぎっ、銀河クン…苦しいよ。」




その言葉と自分の行動に気付きパッと両手を上げ、美月チャンを解放した。




『ごっ、ごめん!うれしくてつい…。』




慌てて後退りし過ぎて、ベッドにぶつかった反動でそのまま後ろに倒れ…




ガッコーン




壁に頭を強打した。




『いっ…てぇ…。』




ベッドの上で頭を抱え、もがき苦しんでいると…


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