月に問う
「銀河クン、大丈夫!?」




美月チャンは慌てて傍まで来て、俺の頭に手を添え顔を覗き込んだ。




ふと、気付けば美月チャンの顔が目の前にあった。




そして、視線が合い二人でクスッと笑った。




かわ…いい!




いつしか自然と視線が絡み合い、美月チャンをゆっくりベッドに寝かせ…




『ホントに俺なんかでいい?』




俺は美月チャンに覆いかぶるような態勢で上からまっすぐ見つめた。




すると、優しく微笑んで静かに頷く美月チャンの表情がすげぇキレイで…




ドキッと胸が弾んだ。




「銀河クンは?私なんかでいいの?」




そう言うとフッと淋しげな表情で俺を見つめている。




『俺は美月チャンじゃなくちゃダメなんだ…。』




優しく微笑んで見せるとうれしそうに小さく笑ってみせた美月チャンの手が俺の頬に触れ、そして自然と唇が重なり合う瞬間…




ーガチャ




「銀兄ぃ!あのさぁ…って…。すみませーん、お邪魔しましたぁ…。」




ーバタン




突然、弟の星河(セイガ)が勢いよくドアを開け入って来たかと思えば、バツ悪そうに静かに部屋を出て行った。


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