月に問う
『おっはよ〜♪』




教室までの廊下をいつもの様にみんなにあいさつしながらスキップで向かっていた。




「朝から元気だね。」




突然、後ろから声が聞こえて来たので振り返ると…




・・・げっ!!




そこには昨日と同じように冷たい目で俺を見ている結城菫が立っていた。




そして、フッと鼻で笑い、サラサラヘアをなびかせ、俺の横を通り過ぎ教室に向かった。




ムッ、ムカつくー!!




あの結城って女、やっぱり好きになれねぇ!




そんな想いで結城の後ろ姿を見つめていると…




「慧心?廊下の真ん中で何してんの?」


『銀河じゃん!おっはよ〜♪』




振り返ると片手に携帯を握り、もう片方の手をポケットに入れた銀河が立っていた。




お前、やべぇよ…




マジ、かっこよすぎだから!




『なぁ、銀河ってさぁ…なんでそんなにかっこいーわけ?』




銀河に疑問を投げ掛けると…




「はぁ?何言ってんの?熱でもあんじゃねーの?って言うか、お前だってかっこいーじゃん。…黙ってればな。」




そう言うとメールを打ちながら、銀河は教室に向かった。




マジ?




まさか、銀河がそんな風に想っていてくれたとは…




思いがけない言葉が返って来て、うれしくて顔がニヤけてしまう。


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