月に問う
「俺がそうだったように、銀河もいつかその日が来るかもなっ。そん時は俺に教えろよなっ!」


『あぁ…。』




岩井チャンは今すげぇ幸せななんだ…




俺もいつか岩井チャンのように出会えるのか?




出会える日は来るのか?




まぁ、そんなのいつになるかわかんねぇけど…




岩井チャンとの話が終わり、学校を出ると外は薄暗くなっていて、今日も空には丸い月が浮かんでいた。




そして、今日も俺を見ているように思えた。




『なぁ…お前は、俺もいつか本気で誰かを好きになれる日が来ると思うか?』




何も語る事もない月を見上げ呟いた。




答えるはずもない月なのに…




もしたしたら?って心のどこかで思っているのかもしれない。




『俺ってバカだなっ…。』




フッと鼻で笑い、今日も空に浮かぶ月に追われながら家路を目指した。


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