月に問う
あの日から…




いつものように女に告白され、暇さえあればまたいつものように女と遊んで欲求ばかり満たしていた。




そして…




ある日、岩井チャンが言っていた事がやって来るとは思ってもいなかった。




まさか、この俺が…



















慧心が新しいゲームを買ったから、「放課後、俺ん家でゲームやろうぜっ♪」なんて言ってたくせに…




「わりぃ、銀河…。今日さぁ、岩井チャンに呼び出し喰らっちゃったから先に俺ん家に行ってて!」


『あぁ?しょうがねぇなぁ…、早く切り上げて来いよ!』


「ラジャー!」


慧心は親指を立て、行ってくる〜なんて言いながら、そそくさと廊下を走って行ってしまった。




さ〜て、先に慧心んちに行ってるかぁ。




学校を出るとどんより曇り空で、今にでも雨が降り出しそうなほど灰色の空が一面に広がっていた。




『さっきまで晴れてたのに…。』




雨が降る前に慧心んちに着くといいけど…なんて思いながら、足を早め向かっている途中、顔に冷たい滴が当たった。


< 9 / 67 >

この作品をシェア

pagetop