王子様を見つけて?




「シカトしないって、本当に?」


「ああ」


「本当に本当に!?」


「ああ」






嬉しい。


嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい。




ジャンプしてガッツポーズがとりたい。


廊下を端から端まで走り回りたい。


屋上まで上って、大声でこの気持ち叫びたい。





そのくらいの喜びだった。



「ありがとぉぉー!」



泣きそうになりながらも、懸命に我慢してやっとの一言を彼に伝える。




すごい満面の笑みだったと想う。

つられてなのか、彼が微かに微笑んだ気がした。


だけど、すぐにそれは消え、あたしの気のせいかなだったのかなと、頭をひねる。





そして、元に戻った真顔のまま、冷淡な口調で



「ただし、もう俺に告ったりすんな」


「………え、どうして?」





脳内で、整理する。


告んな?

ってことは、告白するな?

ってことは、気持ち伝えるなってこと?



ってことは、あたしからアタックしても、それは叶わない。

叶えられないって………こと?




「お前の気持ちはもう知ってるから、これ以上言わなくていいってこと」


「………」


「…はぁ」




あからさまに理解できてないあたしを見て、彼は大きくため息を吐いた。



だぁかぁらぁ、

「もし付き合いたいんなら、俺が告るまで待て」





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