王子様を見つけて?
「ヒカルって…?」
突如現れた知らない名前に、鋭く反応した。
怪訝顔して聞いたあたしに対し、なぜか比呂も不思議そうな表情を見せる。
「名前だよ。さっき廊下で話してた奴の名前。まさか心結ちゃん、知らないで話してた?」
「え。うん……。」
「ははっ。やっぱ心結ちゃんウケる!」
「………ヒカル、輝っていうんだ」
ぼそぼそと口を動かして、その名を確認する。
先程の彼の容姿を思い出し、その姿と重ねて頭にインプットした。
そういえば、中学の時同じクラスにひかるって女の子いたなぁ。
すごく可愛くてひかるって名前を気に入っていた。
彼は、男の子なのに童顔。
失礼だけど、可愛い顔しているから、輝という名前がぴったりな気がした。
「比呂、その…輝、くんのこと知ってるの?」
「うん。友達だよ?同中だし」
…………………。
え?
「同じ中学校?」
「そうだよ?え、まさか、心結ちゃんの一目惚れの相手って………」
比呂は、仰々しく驚いた風を見せた。
まさか、比呂と輝くんが同じ学校から来たなんて信じられず、あたしは思わず赤面する。
比呂は、そんなあたしを見てヒューヒューと茶化しはじめた。