王子様を見つけて?

アタック






──────その日は


銀のくだらない話で、終わった。


今日は、入学式だけ。






「心結、帰る?」



ざわざわしはじめた教室で、栞かあたしに呼びかける。


カバンを持った帰る気満々のあたしは




「帰るー!」



栞の元へ駆け寄りながら、そう叫んだ。


メールで、羽奈ちゃんと連絡をとり、下駄箱で合流。




校門を羽奈ちゃん、栞、あたしの3人でくぐった。









羽奈ちゃんと栞は本当に、友達らしい。


久々だねーって手を取り合って喜んでいた。



いつもクールな羽奈ちゃんの、そんなお茶目な一面に少しびっくり。






3人、横一列という結構迷惑な並びになって、街の道を歩く。


すると、なにがどうなってか、いつの間にかあたしの例の一目惚れの話になっていた。





「えっ!?心結が一目惚れ?」





って羽奈ちゃんが目を見開いて驚いていた。



なんで、そこまで驚くのか、よく分かんないんですけど……?





「どんな人?」


「すっごく可愛いの!」




羽奈ちゃんの質問に自信満々で答える。


隣で栞が、可愛い…か?って言ってるのが聞こえたけど、あえて無視。




そして、栞と2人で、輝くんのことを話した。







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