王子様を見つけて?





「悪い子だねぇ。心結ちゃんはー」


「比呂に言われたくないですー」





けらけら笑いながら、比呂は輝くんの話をし出す。



今までの2人の仲。



とっても仲が良くて、よく2人で遊んだりするくらいらしい。

お互いの家にも行くって。



ずるいっ!!

……あ、あたしも行きたいっ!





「でもね、あいつ女は絶対あげないらしいんだ」


「え、そうなの?」


「うん。俺がいきなり行っても、女が遊びに来てんの見たことない」


「ふーん」


「輝、中学んとき女に飢えること知らないはずなのに」





いかなり行ったら女の子来てたりすんじゃん?って比呂は言うけど、あたしは男の子じゃないから分かりません。




…………え?

てことは、輝くんの家に行ってみたいっていう夢は、呆気なく散ってった………?





「えー!?行きたい、行きたいー!輝くんの部屋みたいー!」


「知らないよっ。しかも心結ちゃん彼女でもないからまず無理っしょ」


「う゛……。ひどい」


「あ、でもいいじゃん!部屋隣だったんでしょ?輝と」


「え?なんで比呂が知ってんの?」





「だって、昨日輝がいってたもん」












………………はい?














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