王子様を見つけて?
あ……
そういや、ストラップ…
いつもは携帯につけているから、めったに落ちないはずなのにな。
と思いながら、そのうさぎをまじまじと見つめた。
よく見ると
「あー!ここ壊れてる」
大事にしていたうさぎの、チェーンの部分がゆるくなっていた。
だから、取れてしまったんだと納得。
「ありえないー…」
せっかく大事にしてのにー。
半べそをかきながら、その無様なうさぎをスカートのポケットにつめこもうとした
その時
「貸して」
細い腕が伸びてきて、ポケットにつめこもうとした手首を掴んだ。
「…………え?」
「貸してみ?壊れてんだろ」
さっきの人だ。
可愛いけど鬼のような人だ。