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「いや、別に」


「ヒドイなぁ。せめて歳くらい聞いてよ」


「じゃあ、いくつなの?」


面倒くさいながらも、訊いてやったのに……



「云いたくない」



ぶっ殺してやろうか。



「すいません。嘘です」



無視だ、無視。


そう、思ったところで日本酒が運ばれて来た。



ヤツが手酌で一気に飲み干した。



「24」



嫌な気のしない声でポツリと云った。

そして、私のグラスに酒を注いだ。



「オッサンじゃん」


「云われると思ったよ」



仕方ない、相手してやるか……そんな気にさせる声だったんだから、仕方ないさ。
そのかわり……





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