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背中の火傷が治る頃、ようやく迎えにきた彼女は泣いて土下座をしたけれど、私がその後もしょっちゅうナオヤの家に預けられたのは、その度に男が家に入り込んだからだった。
それでもナオヤの家族が嫌な顔ひとつせず、私を受け入れてくれなければ、おそらく私は高校も行かずに家を出て、今頃はのたれ死んでいたのかもしれないと思う。
高校には行かないと云った私にナオヤの母は、本気で頬を叩いた。
自分をもっと大事に考えなさいと云った。
そして、出来る限りのサポートをしてくれた。
私は一生、頭が上がらない。
私が『母の日』に欠かさず花を送るのは、ナオヤの実家だけだから。