ζGAULOISESζ


何かを確信した顔つきで耳を傾けるアキトと目を輝かせて聴き惚れるハルタに一曲終えたナオヤが云う。


「ちょっと久しぶりで恥ずかしいから、このまま後、続けまぁす。次が《FLASHBACK》で、そのまま《Your Song》。感想はそのあと、ゆっくり聞きますからねぇ〜」


そう云って、動き出したナオヤの指はまたしても二人を惹き付け、一曲目のすがすがしい雰囲気とは反して攻撃的な鋭い音を放つ。


自然とリズムを刻み出すアキトの両足とハルタの指先は、ナオヤが引き出した以外のなにものでもない。


そしてゆっくりと曲調が変わる三曲目。
その歌詞を聴いて、アキトの表情が一瞬曇る。しかし、アキトは誰にも気付かれないように曲に集中してみせた。





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