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「なんだっけ、それ?
……《雪の女王》か?」


夜空を仰ぐように記憶を辿るアキトが、思い出した答えを出す。




「そうそれ! 家にあってさぁ、その絵本。そんで、それに書いてあるカイの絵がめちゃくちゃイケメンなの。アキラがいっつも『カッコイイ』って云ってて」


「そっちのカイかよ」


「でもさ、カイって拐われて、しかもゲルダに助けに来てもらうじゃん。全然カッコよくないんだよね、ホントはさ。なのに、アキラはカッコイイから拐われたんだって云って、自分もゲルダだったら助けに行くって。だからオレ、カイになりたかったんだぁ」





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