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「ほ〜ら、図星だ!」
ニコニコと微笑むナオヤに苦笑いで返すしかないアキトは、相変わらずの先回りな性格から既にナオヤが何を云いたいのか理解していた。
「解ったよ……。
俺も引かない。それでいいんだろ?」
「“も”じゃないよ。“俺は”でしょ? アキラ手強いからねぇ〜。まぁ、せいぜい撃沈しないように頑張ってよ。もし、そうなったらオレの胸で泣いていいから。慰めてあ・げ・る」
両腕を自分に巻き付け、抱きしめるようにしたかと思うと、唇をとがらせて“チュー”っと云ったナオヤを見て、アキトは呆れかえる。
「キモイわっ! いちいちオマエに報告なんかするかよっ」