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「なに、あのクルマっ! マジでぶつかるってのっ」


ああ……

引き寄せてくれたんだ。

だけど、私は何故かまだ、アキトの腕の中にいて……

固まって動けない。

耳元にコダマしてるのは、アキトの心臓の音?
打ち消すようにうるさいのは私のドキドキ?


ぐるぐると目が廻りそうなシチュエーションの中、アキトの腕が更に抱き寄せるように力を込めた。
囁くように降り注ぐ優しい低音。

「……ちょっと、そのまま」


な、な、なんでっ!?





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