ζGAULOISESζ
_ζ×10
夏のイベントライヴは、結局他のバンドにかっさらわれた。
おかげで進学を迷っていたハルちゃんは夏の間中、アキトのスパルタ家庭教師でバンドを両立させることを決心した。
「アイツなら大丈夫だろう、俺より頭も要領いいから。それに俺に出来たことをアイツが出来ねぇハズがねぇ」
とアキトが云うのだから、大丈夫なんだろう。
バンドは歩みを止めず、ライヴを重ねている。
勿論、彼らの音は聴く度に進化している。
他に変わったことと云えば、打ち上げに私が毎回顔を出すようになったことくらい。