悪魔なお前のせぇで、俺は一生恋人が出来ないままだ!



「ら、ラム、いつからいたんだよ!」



俺はにんまりと頬笑むラムに恐怖を覚えた。



「最初からいたよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんたら、お弁当を忘れちゃうんだもん。ラムが届けに来たんだよ?はい、どうぞぉ!」



ラムはナプキンできれいに包まれたお弁当を、俺に優しく手渡した。



俺は無言でラムからお弁当を受け取る。



「あ、それからお兄ちゃん、これ、割り箸」



ぱきっ



はわわぁ(泣)
なんと、俺以外は気付かない完璧な早業で、ラムは割り箸を握り潰した。



絶妙な力加減で、割り箸を包んだ紙を破らずに、中だけ砕いたのだ。



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