悪魔なお前のせぇで、俺は一生恋人が出来ないままだ!



「……どうしたのよ、そのほっぺた」



ラムはあくまでさりげなく聞きました。



「ん?あぁ、これ?ゆいちゃんに手当てしてもらった」



「そうじゃなくて!」



ラムはにぶいお兄ちゃんにまたイライラします。



「どうして怪我したかって聞いてるの!」



お兄ちゃんは困った顔をしました。



うーん……とうつむき、



「ゆいちゃんが男にからまれてな、その男が喧嘩っぱやくてよ」



などと具体的に答えます。



お兄ちゃんは昔から正直です。



本当のことなのでしょう。



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